新たなプロジェクトの役所調査のために、都内の某役所へ。
2010年に竣工したこの庁舎は、公開コンペにより実現したもので、当初から開かれたプロジェクトという印象がありました。
庁舎規模の公共建築のコンペやプロポーザルの参加資格には、大抵の場合「過去の実績」が問われます。
同規模の実績が無いとコンペにすら参加できないことがほとんどです。
この庁舎のコンペ参加資格には「過去の実績」がなく、実績の無い若い設計者でも参加できたので、現地調査会に行ったことを覚えています。
写真は地下駐車場の柱ですが、建物全体が「免震構造」になっていることがよくわかります。
「免震構造」とは、免震部材(写真の金属の部分)を取り付けた部分で地震の揺れを吸収して、地震エネルギーが建物に伝わり難くした構造です。
免震部材の上下で構造的に縁が切れていて、下部が地震によりどんなに揺れていても上部は異なる動きをして地震の被害を抑えている訳です。
東北地方太平洋沖地震が起こったときはどうだったのか、役所の方に聞いてみました。すると
「大きな船に乗っているような感じで、横にゆっくりと揺れていた。」
「通常の地震の揺れとは違うので不思議な感覚だった。」
「庁舎内の物的被害の報告はない。」
とのことでした。
「免震構造」やはり効果有です。